18年前。
ブリ子(高3・長女)を生んだ年のこと。
私たち家族はそこそこ大きな下町に住んでいた。
電車の駅から数分のところに小ぢんまりした集合住宅があり、
そこに生まれたばかりのブリ子を、
夫婦二人で「大変だ!大変だ!」みたいな状態で必死に育児をしていた。
その集合住宅は、隣接したところに公園があった。
すごく広いわけではないけれど、いつ行っても緑がキラキラしていて、
小さな子を連れて午前中遊ぶには十分な場所だった。
ブリ子が生後8か月になったころ。
いつものようにベビーカーに乗せて、公園から自宅に戻った。
もう少しで集合住宅の入り口だというとき、入り口の前の道路(車が通れないほどの狭い道)に
何か白っぽい、太いものが道一杯に広がっているのが見えた。
誰か工事の人がロープでも置いちゃったのかな?
ベビーカー通れないんだけど.....
そう思いながら1メートルぐらいまで近づいてギョッとした。
ロープだと思っていたのものは、今まで見たこともないぐらい大きくて太いヘビだった。
なんだか体が白っぽくて、だから「きれいだな」と思い、一瞬怖さを忘れるぐらい。
ヘビは自宅前の狭い道を、こちら側から向こう側まで長い体で塞ぎじっとしている。
ベビーカーを持ったまま、あとずさった。
ブリ子はスヤスヤ。
慌てて1本隣の道に入り、迂回した。
次に戻ってきたときには、もうヘビはいなかった。
そこそこでかい町で、しかも駅がすぐそこにあるぐらいのところに、
大きなヘビがいるなんて....。
あのころはスマホなんて持ってなくて、写真が撮れなかったのが残念だ。
今でも昼に夢を見ていたんじゃないかと思うけれど、
その日、集合住宅の管理人さんにヘビの事を話すと
「ああ、よくいますよ。この前なんかはこの住宅の中まで入ってきてびっくりしましたよ」
って言ってたので、その回答にもっとびっくり
あれから18年たち、もしかしてと思ってネット検索をしてみるも、
あのへびの話題は一件もヒットしない。
せめてブリ子がもっと大きくて、一緒に目撃してくれてたらなー。
自分の記憶が間違えてなかったとわかるのに。
まあ、あんまり関係ないだろうけど、
今のブリ子は大の爬虫類好きに育っている。